抹茶のブリュレ

天気予報から梅雨入りを知らされる。

 

傘を持ち歩いたり、濡れたりと手間がかかる

だけでなく、どんよりとした気持ちになったり

水場にカビが生えて不健康すら感じる。

イメージ的にはだいぶ悪い気がする。

 

でもカフェで雨ふりを眺めたり

水溜まりではしゃぐ子どもに昔を重ねたり

普段聴かないのにジムノペティ聴きたくなったり

庭のトマトの苗に”大きくなれよ~”と声かけたり

心穏やかな一場面も出てくる。

とどのつまりはこころのゆとり次第なのでしょうかね。

 

というわけでデザートに抹茶のブリュレが登場!

ああ、なんて乱暴なフリ。

でも意味なくデザートを持ってきたわけではない。

僕は思うのですが、ゆとりがあるからデザートを

楽しむのではなく、デザートを食べるから心にゆとりが

生まれるのだと!

”抹茶のブリュレ マスカルポーネとココナッツのアイス”

粉っぽそうな抹茶がなんて滑らか!

奥行きのある味わいの上にチーズのマスカルポーネと

ココナッツが1つに合わさって・・・いや、

それぞれの味がそのままに抹茶と絡んでマス。

一つの皿の中で対旋律を楽しむ感じですかね。

 

食べながらこんなことを考えていたら

ほら、心にゆとりができるでしょ?

SACで食事をすれば、雨の日も楽しめるかもよ~。

 

 

 

 

 

 

夏が近づく魚料理

おお、ブログ更新が恐ろしいほど

間延びしている…。でも今度から

ちゃんと書く時間を割くことが

出来るようになってきましたよー!

理由は・・来店してからのお楽しみ。

すぐ気づくと思うけど。

 

今日は魚料理の変更のお知らせ。

梅雨に入ってじわっと暑いこの季節、

割とさっぱりに行きましょう!ということで

”鮮魚のポワレ アンチョビクリームソース”

割とさっぱりなんて言っときながらクリームソース。

でも本当に軽やかで伸びのいい上品なアンチョビソースなのだ。

ソースのベース部分にあるノイリー(ハーブワイン)と

白ワインがクリームソースの中にふんわりとした風味と

軽い酸味を織りなしていく。

口の中で広がるリッチなクリームと

爽やかなハーブの香りで包む魚料理です。

付け合わせの緑のもじゃもじゃ君は陸ヒジキ。

クセのないシャキシャキ感は癖になりそう。

それと小梅じゃなくて、セミ・ドライに仕上げた

プティ・トマト。色のアクセントもいいけど、

味のアクセントの方も抜かりなし。

穏やかな夏の気配をどうぞ。

 

 

 

 

 

 

プリン

昔ながらの焼きプリン。

フランス語だと”クレーム・ランバルセ(ひっくり返す)”。

あまりにもそっけないデザート・・ではない。

ディナーのオペラ、エッフェルコースの前菜、

”フォアグラのプリン 自家製ブリオッシュ添え”だ。

見た目は素朴なプリン。キャラメルソースが本当に

掛かっている。実は口に含んでしばらくの間もプリン。

口の中に空気が入った瞬間、フォアグラ・プリンになる。

フォアグラの香りだけでなく、ポルト酒やナツメグといった

香りもふわりと吹き抜けていく。

フォアグラは”甘強い”ものとよく合う。

ねっとり甘口ワインのデザートワインやはちみつ、

そして今回はキャラメルソースだ。

奇をてらった料理のように見えるが

クラシックフレンチが脈づいている。

デザートに春の風

焼き菓子系のデザート、

”レモン風味のパウンドケーキ”が終了です。

キラキラ感は少なめだけど

しっとりじんわり落ち着くデザートだったなあ。

その代わりに入るデザートは

”フロマージュ・ブランのムース オレンジのクーリ”

フロマージュ(チーズ)・ブラン(白)という

なんのひねりもないネーミングだけど

結構、聞き覚えのあるチーズの一つ。

これをフワフワのムースに仕上げると

軽くてむっちりとしたデザートになる。

絡みやすい濃度のオレンジソース(クーリ)と

フレッシュのオレンジはそれぞれに違う

おいしさを引き出す。

 

全体的に黄色の色合いだが、これが

フランスの春の色。それはミモザの色。

どんよりした冬の終わりを告げる色だ。

 

オレンジのクーリにはコアントローという

オレンジリキュール(お酒)を加えて

キレと風味を上げているので

アルコールが苦手な方は伝えてください。

 

新しいラインナップが徐々に進んでいるので

お楽しみに。

 

五島にアンコウ⁉

五島から魚が届いた。

季節の変わり目なので

”冬が主役”の魚たちも千秋楽を

迎えようとしている。

”だはぁ~”って顔したコイツは!アンコウ!

今まで主役張っていたヘダイ、イラを押しのけて

”最後の舞台に間に合った~、だはぁ~”と

駆けつけてきた。

確かに旬の終わりで間に合ったはいいが、

初めて見る生のアンコウ。ケッコーなブチャだ。

・・・・。

・・・だんだんエサねだり顔のワンちゃんに見えてきた。

ちょっとブサカワか?

 

五島で取れるんだね。調べてみたら長崎漁港などでも

普通に取り扱っている。ふむふむ、漁獲高日本一は

下関。イメージないけど珍しいものでもないようだ。

しかしこの魚、顔が大きすぎて食べる白身が少ない…。

どうしようかとシェフが考えあぐねた結果、

洋風煮凝りにすることに決定。

アンコウはその白身より頬や皮、肝、

胸鰭の付け根などその他が美味しいらしい。

 

とにかくブランシール(下茹で)して

頭やヒレ、骨から可食部分を取り出す。

ああ、見慣れて可愛く見え始めたところだったのに。

おいしくなれよ~ チーン。

このほぐし身には皮の部分も入っているので

ゼラチンになる。ハーブ類やエシャロットなどを

加えて煮込む。→ 冷やす→完成!

本日のディナーのアミューズ(最初の小さい前菜)。

”アンコウのジュレ仕立て 白バルサミコ”

うむ、お客様に美味しく食べてもらえば

本懐であろう。

今回はたまたまディナーでしたが、

ランチでもお出ししております。

ただこのアンコウ君1匹分ですので

なくなり次第終了となります。

ご了承ください。

 

 

 

 

 

 

魚料理が春っぽい

手袋なしで運転するのは久しぶりだ。

手の甲をなでる風が気持ちいい。

一気に春めいてきたような気がするが、

三寒四温を念頭に、用心に越したことはない。

SACには早速春めいた一皿が登場。

 

”白身魚のポワレ 新玉ねぎと春のスープ仕立て”

下に敷いているスープはフュメ・ド・ポワソンがベース。

魚のアラと香味野菜を煮込んで作る出汁だ。

当店のアラは五島の鮮魚から取っている。

シェフ曰く、澄んだきれいなフュメが取れるとのこと。

そのスープに潜んでいるのは新玉ねぎ。見えないけど。

新玉の優しい甘さと風味良い魚の出汁、

そこへこんがり焼いた魚がパンチ利かせながら

合わさっていく。じんわり楽しむ料理だ。

魚の上には山菜のうるいをあしらっている。

皿の上には春が来ている。

 

 

 

うっかりの系譜

1月半ばから雪が積もったり、

寒波で寒い日が続いたり

インフルエンザが猛威を振るったりと

SACの店内がやや寂しげだ。

そんな雰囲気を和ませる魚が五島から来た。

”うっかりカサゴ”。

ああ確かに、”しまった~!うっかり食べちゃった~!”

って感じが出ている顔だわ~と思ってしまう。

個人的偏見は置いといて、取り敢えず調べてみる。

何がうっかりなのか?なぜ珍名なのか?

するとヘダイに続き、人間の身勝手に翻弄される

哀しい命名の歴史が…。(某番組ヒストリ〇風)

日本の魚類学者、阿部 宗明先生が1979年に命名している。

この”ウッカリカサゴ”、実は近年になってカサゴとは

違う別種として認知された新種なのだ。

しかも長崎産のカサゴを新種と気づいたのは

バルスコフとチェンという海外の方。ソ連の学術誌に

掲載された。日本近海、しかもカサゴという身近な

魚種を日本の魚類学者が見落とした。ーそう、”うっかり”。

普通のカサゴと見分けが付きにくく、体表の文様や

ヒレにある線の数で区別している。

カサゴとうっかり間違うカサゴなので”ウッカリカサゴ”。

でもインタビューでは

”日本の魚類学者が(本種とカサゴとの違いに)気付かず

ウッカリしていたため、ウッカリカサゴと命名した”<wiki>

と答えている。学者としての矜持と戒めが名前になるとは。

というわけで”ウッカリカサゴ”は八兵衛やペネロペみたいに

うっかりしていない。言われもない札を付けられた被害魚だ。

ちなみに魚類学者の阿部宗明先生を調べると

”安倍宗明”さんが出てくる。

平安時代の天文博士で陰陽師・安倍晴明のひ孫だ。

魚類学者・阿部 宗明(あべ ときはる)

天文博士・安倍 宗明(あべのむねあき)

紛らわしい。うっかり間違えそうな名前だ。

”うっかりした学者”に名付けられた魚と

”うっかり他の学者に間違われそうな名前”の学者。

あべこべのような、同類のような…ん?最終的に

うっかりしているのは誰だ?

 

 

 

 

 

ガリシア栗豚とポタージュ・クレーシー

う~む、何だかパッと見

”ゲキレン戦隊とポタージュ・クレージー”のような

タイトルに見えてしまうが違います。

今回新登場の肉料理とスープの紹介。

”ガリシア栗豚のポワレ 甘い玉ねぎとリンゴ酢のソース”

ガリシア栗豚はスペイン・ガリシア州で栗を食べて育つ豚。

イベリコ豚の2番煎じかと思いきや歴史は古い。

ガリシア州はスペイン北西の海に突き出した角っこの地域で

栗の一大名産地。栗を食べた豚とそうでない豚は霜降りの

入り方が40%くらい差がでてくるという。美味しい豚として

名声はあったものの、手間とコストが掛かってしまい

地元消費に終始していた。

そこへ大手肉屋が研究機関まで作って生産・飼育に取組んだ末、

やっと世に出る事となった次第。油脂の部分はさらっとしていて

軽やか。赤身の色合いは濃く、見た目通り力強い味をしているが

柔らかい。シェフはこの肉質にリンゴ酢のソースを

合わせている。この組み合わせだけでも美味しいのだが、

写真奥のボンヤリしてる粗みじんの玉ねぎがいい役回りをする。

一緒に食べると、肉とソース両方の味をベースアップして

さらに馴染みよくする。目立たないけどいいヤツ。

 

そして”ポタージュ・クレーシー”。(?)

改め、”人参のクリームスープ”。パリ郊外の

クレーシーという名産地の地名にあやかって

別名がポタージュ・クレーシー。

浮実にはリンゴとシナモンを入れてアクセントに。

青っぽい香りやちょっとだけある苦味も

不思議と感じない。イタリアンパセリのピュレの

お陰なのかな。根菜のおいしさや栄養は残して

ふわっと軽やかに仕上がっている。

こちらも心行くまでお楽しみください。

 

 

 

 

サッシが良くなりました。

先日の正月振替休暇を利用して

SACのリニューアル工事・後編を手掛けた。

窓工事だ。窓以外は覆いをかけて完全工事モード。

しかも期間が短いので夜間工事もある。

窓の下壁は板目で隙間から冷気がきていたが、

今回ぴっちり1枚板で貼りなおしたので漏れはない。

なんということでしょう。(某番組風)

窓の隙間から入ってきていた排気ガスで

黒ずんでいた窓枠やカーテンが光り輝いてます。

店内の壁と同じくアイボリーに統一した壁は

断熱材を挟んで強化しました。

それともう一つ、タクヤは大きな問題に

取り組んでいました。

看板です。以前の木製看板が古く朽ちていて

強風や地震の際、落下の危険性が高い状態でした。

材質を変え、やや大きくして安全と広告の両立です。

リニューアル工事後編が終了しました。

新しくなった店内の雰囲気はやはり伝えづらいですね。

”工事の仕上がりはぜひご自身の目でご確認ください”なんて

口上を述べるんじゃないの?と薄っすら気づいた貴方!

さすが察しがよろしいようで。

ご来店、お待ちしております。

 

 

 

 

 

 

 

野菜がっ!

タイトルの続きのセリフは

想像に難くない。ましてや台所を

預かる方には実感が伴う。

白菜、春菊、キャベツにレタス

葉物が高いのはまだ理解できる。

根菜は違うでしょと思ってしまう。

葉物でも冬の葉物は違うでしょ。

しかし、昨年の10月の天候不順や

季節外れの台風は容赦なく農家さんを

苦しめている。野菜が育ってないのだ。

こんな時はしょうがないね。

しかしレストランはそうはいかない。

”大根のクリームスープ バジルと松の実風味”

根菜の持つ滋味とほんのり甘い味わい。

控えめなバジルとナッツ風味が意外なおいしさを

引き出している。冬の味わいだ。

 

年が明けていささか食傷気味な方や

ゆっくりじっくり過ごしたい方に丁度いい

スープです。

寒さは増してますが、温かい部屋と

美味しい料理を準備してお待ちしております。