月別アーカイブ: 2017年4月

C’est pas grave!(セ・パ・ガーヴ!)

そろそろ皆さんにお知らせが届き始めていると

思われるので、ブログにても公表させていただきます。

 

フレンチSACからお客様へ

お知らせと感謝の言葉

突然ではありますが、来たる6月30日(金)をもちまして、

当店のシェフである 宮村 誠 が退店する運びと

なりました。宮村は一身上の都合により、地元・岐阜に

帰郷することになります。

時折の相談はあったのですが、引き伸ばしておりました。

地元での事情が変わり、退店の決意とあいなりました。

当店がオープンしてから5年半、シェフとして腕を振るって

参りました。この席数を1人で切り盛りしていくは

大変なことでしたが、お客様の声に支えられて今日まで

続けて参りました。

つきましては宮村からお客様へ、感謝の意を表しまして、最後の

特別コースをご用意致しました。

期間は5月1日から6月30日までの2か月間となります。

期間中、素材の変更や料理の差し替えなどあるとは思いますが

ご了承ください。

また当店の今後といたしましても、手は尽くしておりますが、

現在のところ継続は未定です。長らく応援して下さったお客様や

当店を楽しみにしてくださったお客様に、SACとしても最後まで

しっかりと努めていく所存です。

お時間をつくれるようでしたら、ぜひご来店ください。

フレンチSAC 富上 卓弥

宮村 誠

料理内容や変更、期間中の営業内容の変更などは

HPにて順次追加してまいりますので

ご覧になってください。

 

実はこの話、2月から検討していた事柄です。

オープンして5年ちょい。

個人店で2人しかいない状況なので、

今回のことがなくても、予測できた状況です。

5年間ラッキーだったと考えた方がいいのだと

思います。お客様にも恵まれたとも思ってます。

継続の予定は未定ですが、あまり悲観的ではないです。

やれることをやったら、後は運ですし。

仮に区切りがついても、人生は終わらない。

私に、最初にフランス語を教えてくれた人が好きだった

言葉。よく使われるんですよ。

”C’est pas grave!” (大したことないよ)

フレンチSACをいつものように楽しんで下さい。

ご来店、心よりお待ちしております。

 

 

 

 

 

スープ・デザート・魚の3タテ

ちょっと5日ほど溜めてしまった

新メニューを紹介。

1.白人参(パースニップ)のクリームスープ バージョン2

パースニップは英国でよく使われる食材。通常の

人参よりも香り、味わい共にマイルド。

バージョン1よりももっとフワッとした食感と香りに。

味バランスや色合いも際立った1品に。

パースニップ2

オレンジの人参の泡ソース添え、パセリ風味。

 

2.苺のマリネ パンナコッタ添え

苺マリネ パンナコッタ

レモンや砂糖でマリネした苺はプルンとした不思議な食感。

パンナコッタ(牛乳プリン)とのミルク甘さとプルプルの

掛け合わせが楽しい、かわいらしいデザート。

 

3.イサキのグリエ ハーブオイル アンチョビ風味

白身魚を網焼きにして、数種のハーブで香り高く仕上げた

オイルソースの組み合わせ。

アンチョビとガーリックで仕上げるバーニャソースを

アクセントに引いてます。

ハーブオイルとバーニャソース

見た目には ”バーニャソース ハーブ風味”

と表現しそうだが、そうではない。

焼き目の香ばしさとアンチョビのうま味や

独特の風味をまとめながら、颯爽としたハーブオイルの

香りが先陣を切っていく。実に爽やかな料理。

今日デビューしたが、綺麗なお皿で返ってきました。

みなさんもどうぞ。

 

 

新しいスープはパースニップ

スープが替わりました。

”パースニップ”のクリームスープ。

全く聞き覚えのない食材と思われても

仕方がないくらいマイナーです。

知っているのはイギリス在住していた人くらい?

和名は”白人参”。

IMAG0280

通常の人参と同じせり科なので

まさに白人参。

科の中で違う属に分類されるので

ニンジンではないです。

でもニンジンっぽい香りがほのかにあって

軽い苦味があります。

極端に言うとニンジンのマイルド版。

ニンジンの持つ甘さが控えめな分、

根菜の滋味ある感じが前に出てくる野菜です。

panais

写真の撮り方が下手なので色合いが出せませんでしたが、

白っぽいスープにニンジンのクリームと

グリンピースのクリームを合わせてます。

白・赤・緑と鮮やかなんですけど...。

この組み合わせが実はちょっとニクイ。

ニンジンのクリームでパースニップのおぼろげな特徴を

補い、春が旬のグリンピースで季節感のある色合い、

さらに種類の違う青臭さをあてることで青い香りが

相殺されている。

飲んでみる、いや、食べてみると

ふわっふわっ。

スープを飲み物と思っている人はおそらくびっくり。

だって飲み物の表現に”ふわっふわっ”は程遠いから。

やわらかい口当たりに対して根菜の滋味ある味わいが

湧き上がるようにくる。

しかも後味に意識しないと感じない苦味?渋味?が

パースニップらしい。

軽さ、ほろ苦さに春を感じる逸品です。

春のワンシーン

3月21日に開花宣言したはずでは?と

誰もが思ってしまう今春。

毎朝通る街路の桜が戸惑ってる。

まるで”だるまさんがころんだ”のよう。

1日ごとにちょっと咲いては止まり、

少し暖かい日だと調子に乗って開くが

次の日にはまた止まっている。

傍から見てるとちょっとかわいらしい。

 

今日はランチでお祝いがあった。

娘さんの大学合格祝いだ。

ちょっと遠いところから祖父母も

お祝いに来ていた。

和気あいあいとしたテーブルの真ん中に

今年高校を卒業したばかりのあどけない

娘さんが座っている。やや緊張気味なのか

内気なのか大人しめだ。

楽しく食事も進み、デザートへ。

お母さんが予約時に頼んでいた

メッセージプレートと共に読み上げた。

”Félisitation!  mademoiselle Madoka”(偽名です)

(フェリシタッション!マドモワゼル・マドカ)

表情がぱあっと明るくなって小学生のような笑顔。

正面に座っていた両親もつられて笑顔になっていた。

 

いいランチだったなと片付けをしている頃、

ふと気づく1枚のプレート。

R0000069

チョコレートを綺麗に食べてくれていた。

でもそれだけでなかった。

R00000691

スプーンですくい取ったにしては不自然な掻き後。

”thanks”

言葉に出さなかったけど伝えたいメッセージ。

おじさんの脳裏に、忘れていた春の風が吹いた瞬間だ。

い~ま~春が来て~君は~・・とフォークが流れて

しまったところが悔しい。

外はまだ寒いけど、春のワン・シーン。

マドカちゃん、大学合格おめでとう。

またあの笑顔を、ミセに来てくださいね。