台風


今日は休日なのでゆっくりお店へ。

イタイ日差しを避けるように日影を選んで

ススム。

全国の天気予報図を見ると五島が台風だ。

 

小学生の頃、台風が来ると分かると

爺ちゃんや親父から指令がくる。

まず雨戸の外と内側に1本ずつ

横に渡した竹で挟んで紐で結わって

雨戸が飛ばないように固定する。

次は船だ。

通常は船の前側から港につけるためのロープ1本、

後側にはイカリ用の1本で固定して停泊しているが

嵐の時はそれぞれ2本張りして4点固定する。

港につける側のロープは陸でできるが

2本目のイカリは泳いで固定する。

台風間近で海は荒れ気味の中、

10キロはある鉄を泳いで20mくらい離れた

ところに運んで固定する。

小学生の自分と中学生の兄にその指令が出る。

時間がないのだ。

雨が降りしきる中、湾を挟んで向かいにある港に向かう。

直線で泳げば300mくらいだが湾沿いに歩くと600m。

着く頃には服はびしょびしょ。

港側の固定はすぐ終わったが問題はイカリ。

10キロ以上のイカリを船から伸ばして打つとなると

海中散歩が必須だ。

名前の通り、イカリを持って海底を歩く。

息が切れたらいったん海面に上がって息継ぎをする。

また潜って少しずつ前へ。

説明だけ聞いていると島民の戦いみたいな

タイトルがつきそうだが

当の本人達は嬉々としてやっている。

嵐の日はなぜか気持ちが昂るのだが

家でじっとしているが定番。

でも指令ならしかたがニャイ。

荒れ始めた海に向かうのは、まして泳ぐなど

興味本位であればNGだが自分たちには

使命がある。昂る気持ちになる男の子には

もってこいなのだ。しかも1人じゃない。

すでにずぶ濡れな状態で海に入る。

イカリを持って海底を歩く。

地表の嵐がウソのように、海の中は静かだ。

海温も気持ちいい。テンションMAXだ。

兄弟そろって真っ裸になって指令をこなしつつ

フツーはできない所業に満足する。

生きてるから楽しかったと言えることは

否定はしない。

でも生きていることがラッキーだから。

 

そんな台風対策ができるメンバーがいない

実家に電話をかける。

家が新しくなってから台風も怖い存在では

無くなったとはいえ、やはり80を超える

両親に懸念は残る。

”風の西から吹いとってすごかもんばい”

”停電になってテレビも見れんけん、

みんなごろごろしとっと。”

”冷蔵庫のアイスクリームが溶けてしまうっちゃ

なかかとかって心配しとると”

 

五島の台風ってこんな感じ。