終わりと始まり


4月29日

明後日の引き渡しに備えて最後の清掃。

連休を挟むため、様々な解約や手続きが

大変だったここ1週間。

やっと目途が立って余裕が出てきた。

 

キッチンの排水口の清掃や壁、カウンター下

普段はやらないくらいにきっちりモード清掃だ。

 

オーブンを拭き上げながらオープン前当初、

焦げ付いた油と格闘したことを思い出した。

錆を磨き落した五徳、防水塗料を塗った床、

厚手の鉄板を自力で運搬したこともあった。

カウンター下の床にもシートを張りなおしたり

フックの取り付けにコンクリにドリル使って

通したり。テーブルも天板と脚を購入して

造ったよな。壁に絵が飾られ、緑も育ち、

テーブルクロスが掛けられ、グラスもセット。

料理ができるようになって、

そしてお客様の声がBGMになるくらいに

賑やかで明るかった店内。

今はコンサートが終わったあとのステージ。

 

お皿やグラス、ナイフフォーク、自分の

相棒たちは無事お客様のもとへ行った。

残されたステージはせめて綺麗にして

見送りたい。

思ってもいなかった愛着ぶりに

汗を流す。

 

4月30日

ほとんどのことが終了した。

綺麗になった店内を眺める。

自分の大切なものを失う感じはしない。

今まで多くのお客様を迎えてきた店に、

お疲れ様とありがとうの気持ちが

込み上げる。

そしてこの気持ちが僕を前に進める。

 

5月1日

令和元年。

お客様から頂いた言葉や思いが

帆を張らせる。

新しい時代とステージが

幕を開ける。