もうすぐオープン!

11月2日のリニューアルオープンを

控え、慌ただしい。

その前のプレオープンが第一の山場。

もうかなり準備は進んでいるだろうと

思われそうだが中々進まない。

メニュー内容から表記、サービス内容まで

ちょこちょこ変更しているので

以前通りとはいかない。

今日だってまだ店の整理中だし、

肝心の玄関ドアがまだついていない。

でもゆっくりだけど確かに

レストランの空気を纏い始めている。

ネルドリップのコーヒーの香りや

キッチンからはコンソメやフォン(出汁)の

香りが出てきてる。

下準備は着々と進んでいる。

今回はフォアグラに付けるブリオッシュという

バターをたっぷり使ったパンは自家製です。

発酵してふっくらと仕上がったパン種を前に

フフッと笑うシェフ。

料理に人生かけているような真面目な顔が

垣間見える。しかし面白くないわけではない。

これは”ほんのり温かいスモークサーモン”を

作り出すスモーカーという名のロボ。

燻製は原理を知っていれば意外に

お手製でできる。

茶目っ気を入れているような、

もしくはお客様が見かけた時のネタのような

気がするが実は違う。

学生の頃の深夜ハイテンションのノリだ。

そう、今はタイムリミットが迫る中、

2人とも目が鳴門になっている!

はあ~間に合うんだろうか…。

ま、やるだけやるしかないけどね。

ついでにキッチンにもう一人

わっか~い男子がバイトで入ります。

料理学校を今年卒業したら来年3月から

SACの新人として活躍の予定です。

ちなみに運が良ければブノワがいます。

適当に入るので当たったら声かけてください。

ふう~今日もハイテンションで頑張ります。

 

 

 

 

 

 

長かったわ~

ブログをアップするのも久しぶりだ。

7月から始まった長い旅。

 

振り返ればインディージョーンズ並に

ハラハラドキドキでしたな。

シェフが決まったかとすぐ立て直しに入った矢先に

ダメっすとか経営面での色々とか、リニューアルに

向けての工事とかね・・・ニカッ!

シェフが正式に決まりましたよ~!!!

 

一時は秘宝までたどり着かないのではと

心配で、ふさふさだった髪もだいぶ

減りました。(しみじみ。)

でもやっと着きそうですよ。

 

でもこれからが大変。

シェフが決まらないと始められないことが

山積みだったので急発進です。

キッチン&客室も大きく工事を入れ、

現在こんな感じ。

キッチンもドリンクカウンター側も全て工事を入れたので

中にあるものはすべて客室へ移動した場面。

 

キッチンにもう1人入れたいのですが

中々見つからない。この1人で

メニュー構成も変わるし、準備も変わる。

ということでまだリニューアルオープンの

日付は決まってません。

10月末~11月初めの予定です。

今日は取り敢えずオープン予告という

ところでしょうか。

 

”失われたアーク”をこの目にする瞬間を

お待ちしてます。

 

 

 

 

海にて帆を張る

SACを一時閉店して3週間。

7月半ばにほぼ決定していたシェフの

話があったので

お知らせ出せるかなという段階で

物別れになった。

8月前半のオープンは難しくなってきた。

今回の試練は中々タフだ。

 

店内を見まわし、経営を見直し、

自分を見直している。

 

年に1回必ず帰省することは

楽しみでもあり、数少ない

親孝行と思っていた。

今年も帰省した。

姪っ子たちも就学して

はしゃいではいるが、

対応がオトナになってきている。

成長してるなあとオジ心。

杖を突きながら歩いている父が

夏休みの宿題をだす。

草刈りだ。

 

昨日の雨で湿気ムンムン、

気温はグングン上がっていく。

汗だくになりながら草を刈る。

草を刈りながら色んな思いや

考えが巡っては去り、去っては

巡っていた。

頭に巻いたタオルを7回くらい

絞った頃、刈りあがった登り坂を

海風が吹きあがってきた。

流した汗がひんやりと首を伝う。

 

何か特別なことではなく、

いつものことなのに

特別な時のような気がした。

爽やかな風に、さっぱりとした自分が

よみがえる。

 

”幸せも不幸せも一緒に入れた袋”。

SACってそんな意味で付けたことを

今更ながら思い出す。

 

3日目の夜は幼馴染の家族も呼んで

バーベキュー。

みんなの仕事の話や子育ての話は

それなりに深刻な内容だったハズ。

それもなぜか終わりごろの花火で

満点の星空に散っていく。

 

梅雨が明けた最終日、

姪っ子たちとドンドン渕へ川遊び。

たっぷり泳いでから帰路につく。

飛行機の窓から遠ざかる島影を見る。

 

海に船を出しても、漕がなければ

進まない。帆を張らなければ

吹いている風に気づかない。

スタート地点に戻ってきても

またスタートすればいいのだ。

風は吹いている。

島影に諭されるように

碇を上げて、帆を張る。

 

リニューアル・オープンには

もう少し時間がかかりそうです。

今、四国沖くらいでしょうか。

じみ~に進んでいきますので

お待ちくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶振り出しに戻る

前回お話しした新しいシェフが

昨日からキッチンに入りました。

ランチ、ディナーとこなしましたが、

自分のやりたい方向とは

違うとのこと。

言葉での確認はしたけれど、

やはりやってみて、自分の料理の方向性と違う。

技術的にできないわけではないが

モチベーション的に続かないとのこと。

こればかりは仕方がない。

 

というわけで▶振り出しに戻る。

 

お知らせしたお客様が今日何組も

来店いただいたので事情を話した。

”慌てずゆっくりやればいいのよ”。

 

私の信条はコケたらすぐ立つ。

そこで泣くヒマがあるなら

すぐ立ち上がって走る。

 

でもこのお客様の声を聞いて

自分が焦って結果を出そうとしてる

姿が見える気がした。

 

そんな時、五島の海で素潜りしてた時の

ことを思い出した。

父・兄と3人で行くのだが、船を碇で固定して

3人それぞれでばらけて潜る。

中学生の自分は海岸沿いに進んでいた。

獲物を求めるあまり、突き出た瀬を回ったところで

外潮に巻き込まれた。

気づいた時にはクロール全力でも

後ろに下がる潮の中。

さらに慌てて泳ぎだしたため、

足がつった。

 

取り敢えず、海面に出てつった足をほぐす。

周りを見ると船は遠すぎて声が届きそうにない。

でも海面でクラゲののように流されるがままに

ゆらゆらしているとあまりにも周りの景色に

緊張感がない。

青々とした海に濃い緑の山、広くて澄んだ青空。

焦っている自分がバカバカしい。

 

まず体を確認。そして遠くの山と近くの岩瀬を見る。

大体の流れる速度がわかる。

そして次第にそのスピードが落ちている。

船に戻る必要はない。

まず岸に上がることだ。

速度を換算しながら斜めに進む先を据える。

うむ、あそこだな。

 

岸に上がり、日差しで熱くなった岩に

お腹をあてて一休み。

船が動き出したのを見て手を振る。

 

”サザエはおったか?”。

急に日常だ。さっきまでインディジョーンズ張りの

危機一髪のドラマティックアクションしてたのにぃ~!

 

”うん、あんまりおらんかったよ”

あ~、なんて普通に強がる中学男子。

 

考えている以上に日常は大切で

思っている以上に日常は大変で。

 

シェフがすぐ決まっても

7月1日から6日までは休みます。

リニューアルです。

すぐに決まらなかった時は

もうちょっと後です。

7月の海の日から4日間五島に帰るので

もしかしたら1か月のヴァカンスに

なるかもしれません。

 

”貴方は僕の太陽だ!”なんて言葉を

実際に使った人はいるのだろうか。

お客様の姿や言葉が、今焦っているであろう

自分にとって、あのバカバカしさを教えてくれた

山にも空にも太陽にも見える。

感じてた以上に日常は感動的だ。

 

6月30日まではきっちり営業しておりますので

宮村シェフの料理、しっかり楽しんでくださいね。

食後のデザートはスフレなので

時間がかかります。

少々お待ちください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コロンビエ

カトリックでない方にはハテナな話。

イースター(復活祭)から7週間後の

日曜日は聖霊降誕祭。

この日に合わせて主にプロヴァンス地方で

焼かれるケーキが”コロンビエ”。

パロンブ

この中にハトのモチーフが入っている。

平和の象徴であるハト。仏語でコロンブ。

ノアの箱舟が大洪水の後、大地が復活した

証としてハトが枝を持ってくるところから

始まっている。

パブロ・ピカソのハトのパリ万博の絵は

見覚えがある方は多いはず。

 

今日、A.K.ラボというパティスリーに報告に行った。

6月30日にシェフ退店という話を聞いて

心配して下さった同業のオーナーだ。

昨日の夜、正式に新しいシェフが決まったので

その報告だ。

一緒に喜んで一安心していたところで

おめでとうと頂いたのが”コロンビエ”。

奇しくも今年の聖霊降誕祭は6月4日。

私も昭和46年6月4日46歳になった。

当日、両親と姪っ子たちから

ハッピーバースデーの電話をもらった。

そして昨日、新しいシェフ・前田さんを

迎えることになり、久しぶりの

穏やかな休日。

 

ご心配かけました。

再出発します。

皆さんの声が本当に心の支えになりました。

新しいシェフは前田さんです。

パリ一つ星で4年修行後、都内で

シェフをしていた方です。

これからもよろしくお願いします。

 

 

 

 

ブログ更新してない...”初夏の日差し”

GWの頃から連日、たくさんのお客様に

ご来店いただいてウレシクルシの状態が

続いてます。お声がけもいただいて

心強く思っております。

あと1か月ですが、喜んでもらえそうな

お知らせはありません。

面接もいくつか行ったのですが、

お見合いみたいなもので

お互いの条件がなかなか噛み合わないですね。

気持ちは太公望と心がけております。

 

昨日は定休日だったので

6月のア・ターブルを書くためにお店へ。

のんびりと午後に家を出発。

成蹊グラウンド横の真っすぐな道を

初夏の日差しが照り付けていた。

電線の影が轍のように道路に映る。

途中よろめいたり、交差したりしながら

真っすぐな道を真っすぐに進んでいる。

そして自分の自転車も、その轍に沿うように

進んでいく。

誰かがつけてくれた轍が自分よりずっと

遠い先の道にまで続いている。

初夏の日差しが落とす影が

くっきりと道を示している。

”今、自分にやれることをやることが

大切だ”と店に入ってパソコンを開く。

ブログ更新してない...。

うん、タイトルは”初夏の日差し”だな。

 

GWの頃から連日、たくさんのお客様に

ご来店いただいてウレシクルシの状態が

続いて・・・つづく。

 

 

 

 

C’est pas grave!(セ・パ・ガーヴ!)

そろそろ皆さんにお知らせが届き始めていると

思われるので、ブログにても公表させていただきます。

 

フレンチSACからお客様へ

お知らせと感謝の言葉

突然ではありますが、来たる6月30日(金)をもちまして、

当店のシェフである 宮村 誠 が退店する運びと

なりました。宮村は一身上の都合により、地元・岐阜に

帰郷することになります。

時折の相談はあったのですが、引き伸ばしておりました。

地元での事情が変わり、退店の決意とあいなりました。

当店がオープンしてから5年半、シェフとして腕を振るって

参りました。この席数を1人で切り盛りしていくは

大変なことでしたが、お客様の声に支えられて今日まで

続けて参りました。

つきましては宮村からお客様へ、感謝の意を表しまして、最後の

特別コースをご用意致しました。

期間は5月1日から6月30日までの2か月間となります。

期間中、素材の変更や料理の差し替えなどあるとは思いますが

ご了承ください。

また当店の今後といたしましても、手は尽くしておりますが、

現在のところ継続は未定です。長らく応援して下さったお客様や

当店を楽しみにしてくださったお客様に、SACとしても最後まで

しっかりと努めていく所存です。

お時間をつくれるようでしたら、ぜひご来店ください。

フレンチSAC 富上 卓弥

宮村 誠

料理内容や変更、期間中の営業内容の変更などは

HPにて順次追加してまいりますので

ご覧になってください。

 

実はこの話、2月から検討していた事柄です。

オープンして5年ちょい。

個人店で2人しかいない状況なので、

今回のことがなくても、予測できた状況です。

5年間ラッキーだったと考えた方がいいのだと

思います。お客様にも恵まれたとも思ってます。

継続の予定は未定ですが、あまり悲観的ではないです。

やれることをやったら、後は運ですし。

仮に区切りがついても、人生は終わらない。

私に、最初にフランス語を教えてくれた人が好きだった

言葉。よく使われるんですよ。

”C’est pas grave!” (大したことないよ)

フレンチSACをいつものように楽しんで下さい。

ご来店、心よりお待ちしております。

 

 

 

 

 

スープ・デザート・魚の3タテ

ちょっと5日ほど溜めてしまった

新メニューを紹介。

1.白人参(パースニップ)のクリームスープ バージョン2

パースニップは英国でよく使われる食材。通常の

人参よりも香り、味わい共にマイルド。

バージョン1よりももっとフワッとした食感と香りに。

味バランスや色合いも際立った1品に。

パースニップ2

オレンジの人参の泡ソース添え、パセリ風味。

 

2.苺のマリネ パンナコッタ添え

苺マリネ パンナコッタ

レモンや砂糖でマリネした苺はプルンとした不思議な食感。

パンナコッタ(牛乳プリン)とのミルク甘さとプルプルの

掛け合わせが楽しい、かわいらしいデザート。

 

3.イサキのグリエ ハーブオイル アンチョビ風味

白身魚を網焼きにして、数種のハーブで香り高く仕上げた

オイルソースの組み合わせ。

アンチョビとガーリックで仕上げるバーニャソースを

アクセントに引いてます。

ハーブオイルとバーニャソース

見た目には ”バーニャソース ハーブ風味”

と表現しそうだが、そうではない。

焼き目の香ばしさとアンチョビのうま味や

独特の風味をまとめながら、颯爽としたハーブオイルの

香りが先陣を切っていく。実に爽やかな料理。

今日デビューしたが、綺麗なお皿で返ってきました。

みなさんもどうぞ。

 

 

新しいスープはパースニップ

スープが替わりました。

”パースニップ”のクリームスープ。

全く聞き覚えのない食材と思われても

仕方がないくらいマイナーです。

知っているのはイギリス在住していた人くらい?

和名は”白人参”。

IMAG0280

通常の人参と同じせり科なので

まさに白人参。

科の中で違う属に分類されるので

ニンジンではないです。

でもニンジンっぽい香りがほのかにあって

軽い苦味があります。

極端に言うとニンジンのマイルド版。

ニンジンの持つ甘さが控えめな分、

根菜の滋味ある感じが前に出てくる野菜です。

panais

写真の撮り方が下手なので色合いが出せませんでしたが、

白っぽいスープにニンジンのクリームと

グリンピースのクリームを合わせてます。

白・赤・緑と鮮やかなんですけど...。

この組み合わせが実はちょっとニクイ。

ニンジンのクリームでパースニップのおぼろげな特徴を

補い、春が旬のグリンピースで季節感のある色合い、

さらに種類の違う青臭さをあてることで青い香りが

相殺されている。

飲んでみる、いや、食べてみると

ふわっふわっ。

スープを飲み物と思っている人はおそらくびっくり。

だって飲み物の表現に”ふわっふわっ”は程遠いから。

やわらかい口当たりに対して根菜の滋味ある味わいが

湧き上がるようにくる。

しかも後味に意識しないと感じない苦味?渋味?が

パースニップらしい。

軽さ、ほろ苦さに春を感じる逸品です。

春のワンシーン

3月21日に開花宣言したはずでは?と

誰もが思ってしまう今春。

毎朝通る街路の桜が戸惑ってる。

まるで”だるまさんがころんだ”のよう。

1日ごとにちょっと咲いては止まり、

少し暖かい日だと調子に乗って開くが

次の日にはまた止まっている。

傍から見てるとちょっとかわいらしい。

 

今日はランチでお祝いがあった。

娘さんの大学合格祝いだ。

ちょっと遠いところから祖父母も

お祝いに来ていた。

和気あいあいとしたテーブルの真ん中に

今年高校を卒業したばかりのあどけない

娘さんが座っている。やや緊張気味なのか

内気なのか大人しめだ。

楽しく食事も進み、デザートへ。

お母さんが予約時に頼んでいた

メッセージプレートと共に読み上げた。

”Félisitation!  mademoiselle Madoka”(偽名です)

(フェリシタッション!マドモワゼル・マドカ)

表情がぱあっと明るくなって小学生のような笑顔。

正面に座っていた両親もつられて笑顔になっていた。

 

いいランチだったなと片付けをしている頃、

ふと気づく1枚のプレート。

R0000069

チョコレートを綺麗に食べてくれていた。

でもそれだけでなかった。

R00000691

スプーンですくい取ったにしては不自然な掻き後。

”thanks”

言葉に出さなかったけど伝えたいメッセージ。

おじさんの脳裏に、忘れていた春の風が吹いた瞬間だ。

い~ま~春が来て~君は~・・とフォークが流れて

しまったところが悔しい。

外はまだ寒いけど、春のワン・シーン。

マドカちゃん、大学合格おめでとう。

またあの笑顔を、ミセに来てくださいね。